第62代理事長 
長谷川 吉徳
㈱長谷川砂利

スロ-ガン
今この時を力強く  未来のために行動しよう

基本理念
人と人が結ぶ 魅力溢れる郷土の創造

 

理事長所信

◆はじめに

公益社団法人十日町青年会議所(以下、十日町JC)は、12名の志高き青年たちの熱き想いにより1957年(昭和32年)5月15日、国内で115番目、県内では3番目の青年会議所として誕生しました。以来61年もの長きに亘り、明るい豊かな社会を築き上げるという普遍的な想いのもと時代の流れに則した運動を展開し、地域のリーダーとしてこの地域に大きく貢献してきました。これは、創始の志を絶やすことなく繋いできた先輩諸氏一人一人の英知と勇気と情熱をもって築き上げられたものであり、現在、在籍する私たち会員はこの組織に敬意と誇りをもって行動していかなければなりません。

【郷土の魅力とは】

私たちが暮らすこの十日町市・津南町は「越後妻有」と呼ばれ、その中心には南北を縦断する日本最長の川「信濃川」が位置し、太古の時代からこの地域に恵みを与え人々の生活を育んできました。今から約5300年前に信濃川流域で暮らした人々が生活の中で作り出した「国宝 火焔型土器」を私たち市民は、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの聖火台のデザインとして採用されることを熱望しています。また、この地域は日本有数の豪雪地帯としても知られ、冬には2メートル以上の積雪に覆われ半年近くを雪と共に生活します。先人たちは、この長く厳しい冬の生活の中で独自の文化や産業を発展させてきました。今年で開催69回を数える十日町雪まつりも先人たちの「雪を友とし、雪を楽しむ」という発想から自発的に誕生したものであり、現在では全国的に知られこの地域の代表的な催事となっています。私たち十日町JCは、雪まつりの数あるひろばの中でも最大のひろばである「コミュニティひろば」を運営しています。高度な情報化社会となった昨今、世界中から多くの人々が来場され、訪れた人々は雪国の文化や生活に触れ、関心を持ってその魅力を世界に発信しています。また、この事業は十日町JCにとっても歴史と伝統のある継続事業であり、毎年様々な困難や壁にぶつかりながら築き上げ成功に至る過程は、私たち会員の資質の向上と結束を深める重要な事業となっています。全国的に少子高齢化が叫ばれる中、この地域も例外ではなく毎年人口が減少しています。また、地域の未来を担う若者たちが就学や就職を求めて都市部に出て行ってしまうことも人口減少に大きく影響しています。中には、地元に残って生活をしたいと望む若者も雇用の機会や選択肢が少なく、この地を離れざるをえない現状もあります。しかしながら、近年この地域への訪問者や移住者が増加しています。これは、3年に一度開催される「大地の芸術祭」や信濃川をはじめとする地域資源を活かしたレジャー観光、都会には無い自然豊かな風景を求め、または、地域おこし協力隊などを通じてこの地域を訪れた人たちが、他の地域には無い魅力を感じ、この場所で暮らしたいと自ら望んで移住してくるからです。その移住者の多くは、誇りと目的を持って思い思いの形で生活を営み注目を浴びています。一方、この地域で生まれ育った私たち市民は、他にはない魅力とは何か、ここで暮らしたいと思わせるものは何かを知っているのでしょうか。私たち市民が今一度、自分たちの暮らすこの地域の良さを知り、愛着と誇りを持って生活していくことが人口減少に歯止めをかける第一歩なのではないでしょうか。全ては、人と人との結び付きから始まるのです。私たち十日町JCが、移住者やこの地域を訪れる様々な人々と市民とが触れ合うことの出来る交流や活動する機会を提供していくことで、私たち市民はこの生まれ育った地域の良さを知ることが出来るのです。私たちが行っている、ちいき体感型トライアスロン「ローカルアスロン」事業もその一つであります。

【未来の力を育む】

 昨今、放課後に公園や校庭で遊ぶ子どもたちを見かける機会が少なくなってきました。現代の子どもたちを取り巻く環境は一昔とは大きく、そして急激に変わってきました。核家族化や少子化などによる家族形態の変化や、スマートフォンをはじめとするITの高度化と広い普及が子どもたちの人間関係の希薄化、コミュニケーション能力の低下、モラルやマナーの低下を招いています。しかし、その環境を作ったのは子どもたち自身ではなく、便利さを追求した大人たちが作りあげていったのです。 今、子どもたちに必要とされるものは、成長に良い影響をもたらす機会をより多く経験させることです。しかし、子どもたち自らがその機会を知り得ることは容易ではありません。私たち大人が「大人の責任」として、地域の子どもたちと正面から関わっていくことにより子どもたちは多くの経験を重ねる事ができ、その経験を基に自らが進むべき道を選択していく事が出来るのです。私たち十日町JCは、長きに亘り「わんぱく相撲」を開催してきました。この事業は単に相撲を普及することが目的ではなく、子どもたちの心身の鍛錬と健康増進、礼儀や作法を通じての相手への思いやりや向き合い方を学ぶことにより、様々な事に積極的に取り組む強い心を作ることが目的です。 その他、私たち十日町JCは、今年度、新たな取り組みとして子どもたちにこの地域だからこそ経験出来る機会を作りたいと考えています。子どもの時に経験した強い感動は、一生忘れることはありません。その感動は、生きていく上での大きな原動力になり自身や周りの人々に必ず良い影響をもたらすはずです。

【来たる災害に備えて】 

2004年(平成16年)10月23日「中越大震災」が発生しました。私たちの地域は、最大震度6強の揺れに襲われ多くの被害が広範囲で発生し、ライフラインが絶たれた人々は、生活に大きな支障をきたしました。大半の人々は、自分の暮らす場所でこれほどの地震が起きるとは思ってもみなかったはずです。また、震災後にも豪雨水害や豪雪といった自然災害が度々発生しており、長期的にみれば今後も自然災害は必ず発生します。自然災害の恐ろしさとは、いつ、どこで、どんなことが発生するかを予測することが難しいことや、災害の発生に対して常に身構えることが出来ないことにあります。また、震災から10年以上が経過した今では復旧・復興工事も完了し、甚大な被害は人々の記憶から薄れ、震災を経験した私たちでも災害の恐ろしさを忘れてしまうことがあります。私たち十日町JCは、中越大震災の発生から10年にあたる2014年(平成26年)10月23日「社会福祉法人十日町市社会福祉協議会」と「特定非営利活動法人セーフティネットぼうさい」の3団体による「越後妻有防災ネットワーク協議会」を立ち上げました。設立以来、災害の「恐ろしさ」や、災害を発生させないようにする対策や災害が起きた場合に被害を出さないことを目的とする「防災」、災害時の被害を最小限に抑えるための「減災」について学びながら啓発活動を行ってきました。この啓発活動を今後も継続的に行っていくことで、より多くの市民から来たる災害に対し強い意識と備えを持ってもらうことに繋げていきます。また、現在、災害が発生した際には、3団体それぞれの強みを活かした迅速な災害支援活動が協議会として具体的に行えるような仕組みを検討しています。今後はこの動きをさらに推し進め、具体的なものに構築してくことや、行政から私たち協議会の活動を理解していただき行政との深い結び付きを築くことに努めていきたいと思います。

【会員拡大は何のために】

青年会議所(以下、JC)は、世界121ヵ国に4700余りの団体が存在し、その在籍会員数は16万人にのぼり世界規模の団体として世界に大きな貢献をしています。また、日本国内においては696の団体があり、約3万6000人が在籍しています。各団体がそれぞれの地域で「修練・奉仕・友情」の三信条のもと、明るい豊かな社会の実現を目指して活動を行い地域社会に大きく貢献しています。また、696の団体がJCの名のもとに強いネットワークで結ばれており、他には無い大きなスケールメリットがあります。そしてJCは、20歳から40歳までの限られた期間しか在籍することが出来ない団体です。この年齢は、社会に出て、揉まれ、大きく成長する期間とも重なり、その同じ期間にここでしか得られない機会を経験することは、時には辛く苦しいこともあるかも知れませんが更なる成長を遂げることが必ず出来ます。それは、先輩諸氏の卒業後の活躍を見れば言うまでもありません。JCは、単に20歳から40歳までの団体ではなく、そこで得た経験を己や社会のために一生涯活かすことが出来る団体なのです。しかしながら、バブル崩壊後の国内景況に比例するかのごとく、会員数の減少が進み、JCの弱体化や統合、消滅などの問題が全国各地で発生しています。また、現在ではそれぞれの目的をもった様々な団体が多く存在し「JCしかない時代からJCもある時代」と言われる時代に変わってきました。62年目になる私たち十日町JCは、今年度、正会員24名でのスタートとなります。これは、過去の最多在籍数の約1/4にあたり、10年前と比べてみても約1/3と会員数の急激な減少が進んでおり、私たち十日町JCも同様の問題を抱えております。会員の減少は、単に組織の存続だけではなく地域に必要とされる運動が大きく制限されてしまうことが問題なのです。今の時代だからこそJCを通じて、この地域に暮らす青年たち一人一人の成長を一人でも多く促すことと、地域社会に大きく貢献することがこの地域の未来を明るく豊かにすることに繋がっていくのです。会員一人一人が、私たち十日町JCの活動を多くの人々に発信しながら会員拡大に取り組み、多くの同志を増やしていきましょう。

◆結びに

もし、十日町JCに入会していなかったとしたら、この地域に誇りを感じることができたのだろうか、同じ志を持つ仲間に出会えたのだろうか、自分を成長させる何かがあったのだろうかと、ふと考えることがあります。私は、十日町JCに入会して11年が経過しました。この間、様々な機会を与えてもらい成長を実感するまでに至りました。現在の私があるのは十日町JCがあったからだと感じています。その自分が経験したことを次の時代に繋ぐこと、そして、この先も十日町JCが地域に必要とされる団体であり続けていくことが、私のこれからの十日町JCにおける役目だと感じています。すべては行動から始まります。私たちJCは、全てのことに失敗を恐れず率先して挑戦することが最も重要なのです。しかし、その挑戦は、私一人では出来ません。同じ志を持った会員一人一人が主役となってはじめて出来るものなのです。20歳から40歳という限られた期間だからこそ思い切って挑戦することが出来るのです。「今この時を力強く、未来のために行動しよう

執行部メンバー

直前理事長  重野 剛基 ㈱大野屋重機建設
副理事長   栢森 俊樹 十日町木工㈱
副理事長   庭野 克弥 ㈱庭野電機商会
専務理事   福嶋 照彦 ㈱福島建監事
監事     田村 祐昌 ㈱田村自動車